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股関節・膝・脚の痛みを改善「脚の専門院リネアル」

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施術考察 ケース1-②

施術考察 ケース1-②

こんにちは!Rinealの見澤です!

今回は前回の記事の続きになります。

前回の記事をまだ見られていない方はこちら(施術考察 ケース1-①)をご覧ください

ではさっそく前回の簡単なおさらいから見ていきたいと思います!

前回の内容

今回紹介させていただく方の主なお悩み(主訴)は「子どものころから太もものあたりが太いのが気になっていた」ことです。

そしてご利用者様の第一印象やカウンセリング内容から、お悩みの原因となっている改善すべき点として以下の可能性を考えました。

1.骨盤が前傾(前に傾いている)していることで、大腿骨が内旋し、大転子が前方に来ることで太く見えている

2.反り腰(骨盤が前傾位)になっていることで、立っているときにお尻の筋肉や太ももの裏側の筋肉がうまく使えず、太ももの前側の筋肉をたくさん使ってしまっていることで、太ももの前側の筋肉が硬くなり太く見えている

3.お尻の筋肉がうまく使えていないことで、太ももの前側の外側の筋肉(大腿筋膜張筋)をよく使うようになり、その部分が張り出して太く見える

4.お尻の筋肉や太ももの裏側の筋肉がうまく使えていないことで、筋量や筋力が低下し、ヒップのラインが崩れて見えてしまう

5.反り腰(骨盤が前傾位)からの影響、日常生活での動作の影響(子どもを抱っこすること、もしくはいい姿勢でいる必要がある場面が多いなんてこともあるかもしれません)があり、胸椎の過度な反りを来たしている、胸椎が反ることで後頭部から頸椎(背骨の首の部分)の反りも出てくるが、目線を真っすぐにするために顎を引いている、それにより常に肩が少しすくむ形になり、肩こりが取りにくいという状況が続いている

6.また、反り腰があること、お尻の力がうまく使えていないと可能性があるということを考えると、普段お身体を動かす際に体幹の筋力がうまく使えていないことで本来使うべき筋肉がうまく使えていない可能性もある

そして反り腰(骨盤が前傾位)となっている原因としては、①股関節の筋肉(特に太ももを持ち上げるような股関節屈筋)の硬さ、②股関節の受け皿が浅い、③日常生活上での身体の使い方の問題という三点の可能性があるとこの時点では推察しました。

これらの可能性を踏まえて実際にお身体の評価をしていきます。

ここからの内容は専門的な話が多くなるので、読むのが大変な方は結論のところまで飛ばしていただいてかまいません!

身体機能評価

視診

まずは第一印象の部分でも書きましたが、お身体や動きを見ての評価になります。視診ではケガの場合では西洋医学的には特に炎症所見(患部の赤みや腫れなど)を見ていきます。今回のお悩みは脚の太さのお悩みでしたので、全体的に脚のラインに凹凸がないかという点や、見た目上で上半身と下半身のバランスや大腿部(膝から鼠径部の間)と下腿部(膝から足首の間)のバランスはどうかというのを見させていただきます。またこの後書いていきたいと思いますが、東洋医学的観点からは皮膚の状態なども参考にしていきます。

今回の方はご本人様の主訴の通り、下腿部に対して大腿の上部外側(大転子のあたり)から上前腸骨棘(鼠径部の少し上にある骨盤のでっぱり)にかけて、筋や骨の凹凸が減っている(この部分が全体的に丸みを帯びている)状態です。

また、大腿部と臀部(おしり)の境目が段差が少なくなっている状態でもあります。

姿勢に関しては第一印象の部分と重複しますが、この後の触診の部分で、視診で気づいた点と実際に触ってみて関節がどうなっているかというのを確認していきます。

触診

触診とは実際にお身体を触らせていただき、状態を確認する検査です。

今回特に確認する点は、太さで悩まれている部分が脂肪なのか、筋肉の硬さなのか、それとも骨の向きなどが影響しているのか、もしくはそれ以外かという点を重点的に確認します。また、筋肉に関しては太さに影響を及ぼすと思われる筋肉の状態を一つ一つ触り分けチェックしていきます。厳密にいうと触診と関節の動きを検査する際は同時に行うこともあります。関節の動きの検査と重複する点もありますが、検査結果は以下の通りです。

・座位・立位とも股関節(大腿骨)が内旋位となっており、大転子が外側へ張り出している

・座位・立位とも骨盤が前傾位となっていて、腰椎の前弯が増大、胸椎の後弯が減少、頸部が伸展位、頭部が軽度屈曲位となっている

・大腿筋膜張筋筋腹・大腰筋・腸骨筋(腸腰筋)(股関節の前側にある太ももを持ち上げる筋肉、反り腰の原因となる筋肉)、中殿筋(体を支える筋肉)・深層外旋六筋(お尻の奥にある筋肉で、股関節を外旋する筋肉)特に大腿方形筋などの大転子付着部での硬結(固まって筋張っているような)様の硬さ、ハムストリングス(太ももの裏側にあり、膝を曲げる、脚を後ろに持ち上げる筋肉)起始部から停止部にかけての全般的な硬さがある。また、脊柱を支える筋肉の過緊張も見られている。

・本来圧痛(押されて痛いか)などは痛みの評価として考えることが多いですが、今回は痛みで悩まれているわけではないので、触診と一緒に評価をしました。硬結している筋は押されて痛いところが多いですが、それ以外の圧痛があるかを調べます。今回では股関節のトラブルがないかという点を診ていきたいです。スカルパ三角(筋肉と靭帯で囲まれた三角形の部分)という大腿骨頭があるところの体表にあたる部分を確認し、圧痛は見られず。

股関節に関係する筋肉 坂井建雄. (2011).『プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系』. 東京: 医学書院. p446‐447より引用(一部改編)

計測

当院で使用しているiMUという機器で、歩行中を評価します。この機器を使用すると、歩行中の膝の動きを機械が測定し、内反モーメントという膝の内側から外側に向かう力を算出します。将来的に変形性膝関節症になるリスクがあるかということを評価することができます。簡単に言うと変形性膝関節症予測装置みたいな感じです。変形性膝関節症(ほとんどの場合)≒O脚とも考えられるので、O脚予測装置ともいえるでしょう。この計測の結果では左右とも正常範囲内です。

加えて計測の部分では脚の周径(太さの測定)、関節の可動域(動く範囲)、筋力などを図ります。今回は項目を分けてみていきます。周径に関しては、一度測っての結果より、経過を追っての変化が大事となるので、今回は省略します。

関節の動き

関節可動域に関してです。関節可動域とは関節がどのくらい動くかを実際に動かしてみて計測する検査になります。

関節の動きが制限されている場合には何によって制限されているかを考えながら確認していきます。逆に関節が動きすぎてしまう場合にも、その原因を細かく診ていく必要があります。そのようなことを各関節ごとにチェックしていきます。

先ほどの視診・触診の結果ではいくつか気になる姿勢や筋肉の硬さがありました。触診の結果で確認できた筋肉の硬さが、関節の動きに影響を与えるかということを考えながら行っていきます。

関節可動域という点に関して改善すべき点として挙げられたのが以下の点です。

・股関節→外旋・伸展(脚を後ろに持ち上げる)・膝関節伸展位での股関節屈曲可動域制限、内旋の過度な動きやすさ

・骨盤→後傾可動域制限

・脊柱→全般的に屈曲(前屈する動きが部分部分で動きにくくなっている)制限

関節可動域とは自力で動かせる関節の動き(生理的な運動といいます)のことを言います。自力でできない関節の動き(例えば膝で考えると、脛の骨だけを前にずらすなど)のことを副運動といいます。副運動が起こるおかげで、関節がスムーズに動きます。副運動が起こらないと軟骨やほかの組織を傷つけたり、関節がうまく動かないということが起きてきます。

そのため関節可動域とは別に副運動もチェックしていきます。

副運動では、股関節の動きの不安定さ、椎体(背骨の一つ一つ)の前後方向の動きの制限という点が気になる点として挙げられます。

股関節の関節可動域測定 このように測り方と参考となる可動域が決まっています。https://www.jsfr.jp/download/info/2021/20211129_03.pdfより引用

筋力

筋力の検査は機械を使う場合もありますが、検査をする人が手で行うことや、運動をしてみて評価することが多いです。筋力検査では、筋肉が持つ力だけでなく、筋力がしっかり力を発揮できているかということや、筋肉の体力いわゆる筋持久力というものも評価していきます。

今回の検査では、ハムストリングスの力の出にくさ、股関節外旋筋(深層外旋六筋や縫工筋)の筋力低下、股関節屈曲筋(主に腸腰筋)の力の出にくさ、股関節外転筋(主に中殿筋)・股関節伸展筋(大殿筋やハムストリングス)の筋力低下もあります。また、おなかにあるインナーマッスルといわれる筋の一つである腹横筋(読み方はふくおうきんです。コルセットと同じ役割をするといわれています)を体がうまく使えていないも見受けられています。

その他検査

関節を安定させる役割を持つ靭帯や、骨の状態などをチェックできる検査も行います。これは全て手で行ったり、動作をすることで確認ができるもので、機械などは使わずに行います。整形外科テストや徒手テスト、スペシャルテストと呼ばれることもあります。

今回はケガや痛みではないので、検査の目的としては、関節に不安定性がないかということを中心に見ていきます。関節が不安定だと筋肉を過剰に使ってしまったり、偏った使い方になってしまうので、確認しておくべきだと思います。

この評価をしたときは、やはり股関節の若干の不安定性は気になりますが、膝や足首などの関節では不安定性は見られていません。

今回の記事のまとめ

大変長くなってしまいましたが、今回の記事ではいったんここまでにさせていただきます。

今回の記事では、脚の太さのお悩みでご来院いただいた方に行った検査と、その結果について書かせていただきました。(読みにくい文章になってしまいましたが…)

まとめですが、前回の第一印象とカウンセリング結果に加えて、詳しく視診、触診、関節の動き、筋力などの検査と結果について触れました。検査結果の解釈についてはまた、次回以降の記事で書ければと思いますが、今回の記事で触れた部分に関しては、股関節周りの筋肉の問題、関節の動き、骨盤と背骨の動きなどが絡み合ったところが要になってくると思います。

次回の記事では検査内容と結果の続きと、改善ポイントに優先順位をつけたもの、施術内容、ご指導させたいただいた内容などについて書ければと思います(東洋医学的な視点からの考えも少し書けたらと思いますが、文量を考慮します、、、)。

また長文になってしまいそうですが、興味のある方はお付き合いいただけたらと思います!

最後までお読みいただきありがとうございました!

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