骨にとげができてる?骨棘とは?
みなさまこんにちは。Rinealの見澤です!
前回の記事ではこんな症状があるともしかしたら変形性膝関節症かも?!という内容を書かせていただきました。
今回の記事では変形性膝関節症の代表的な所見の一つである「骨にとげのようなでっぱりができる:骨棘(こつきょく)」についてお話していきたいと思います。
とげが刺さると痛いですよね、、、体の中でもとげが刺さると痛いことがあります。
骨棘は痛みの原因になることも多々あります。
では早速詳しく見ていきましょう!
骨棘とは?
骨棘(こつきょく)、英語で「bone spur」とも呼ばれるものは、骨の表面に形成される異常な骨の突起です。骨棘は通常、関節の摩耗や軟骨の損傷に応じて体が自然に反応して形成されます。これらは主に、関節の周囲や脊椎、かかとなどの部位に発生することが多いです。
原因
骨棘の主な原因は以下の通りです:
1.関節炎:特に変形性関節症(OA)は、軟骨の摩耗に伴い骨棘を形成する主要な原因です。
2.長期間の摩擦や圧力:特定の関節や骨に繰り返し負荷がかかると、体が反応して骨棘を形成することがあります。
3.老化:加齢に伴い、軟骨がすり減ることで骨同士が直接接触し、骨棘が形成されやすくなります。
4.外傷:骨折やその他の外傷により、骨の異常な成長が引き起こされることがあります。
症状
骨棘自体は痛みを引き起こさない場合もありますが、特定の位置に形成されると以下のような症状を引き起こすことがあります:
1.痛み:骨棘が神経や周囲の組織に圧力をかけると痛みが生じることがあります。
2.腫れ:炎症を伴うことがあります。
3.関節の硬直:関節の可動域が制限され、硬直感を感じることがあります。
4.しびれや麻痺:神経を圧迫する場合、しびれや麻痺が発生することがあります。
診断
骨棘の診断には以下のような方法が用いられます:
1.X線撮影:骨棘の位置や大きさを確認するために一般的に使用されます。
2.MRIやCTスキャン:骨棘の詳細な構造や周囲の軟部組織への影響を評価するために使用されます。
3.身体検査:医師が関節や骨の痛みや異常を評価します。
治療法
骨棘の治療は、症状の軽減と原因の解消を目指します。以下は一般的な治療法です:
・薬物療法:非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や痛み止めを使用して痛みや炎症を軽減します。
・理学療法:関節の柔軟性を高め、筋力を強化するための運動療法を行います。
・ライフスタイルの変更:体重管理や負荷のかかる動作の回避を推奨します。
・注射療法:ステロイド注射により炎症を抑え、痛みを軽減します。
外科的治療
骨棘除去手術:症状が重く、他の治療法が効果を示さない場合に、手術により骨棘を除去します。
予防方法
骨棘を予防するためには、以下の方法が推奨されます:
・適度な運動:関節に負担をかけすぎないようにしながら、適度な運動を続けることが重要です。
・適切な体重管理:体重を適正に保つことで、関節への負担を軽減します。
・関節保護:適切な姿勢や動作を心がけ、関節を保護します。
骨棘の発生メカニズムの詳細
ここから先に関しては興味のある方だけお読みください。少し内容が細かい話になってきますので、ご興味のある方はぜひお読みください!
骨棘の発生メカニズムについてもう少し詳しく触れていきたいと思います。
1. 関節の摩耗と変形性関節症(OA)
変形性関節症(Osteoarthritis, OA)は、骨棘の形成に最も関連する疾患の一つです。以下のプロセスで骨棘が形成されます。
・軟骨の摩耗:関節の軟骨が摩耗し、骨同士が直接接触するようになると、体はその摩擦を軽減しようとします。
・骨の再形成:軟骨が損傷し、摩擦が増すと、骨の再形成が促進されます。この過程で、関節の縁に新しい骨が形成され、骨棘が出現します。
2. 外傷や繰り返しのストレス
関節や骨への外傷や、繰り返しの動作によるストレスも骨棘の形成を促進します。
・外傷:骨折や関節の外傷により、骨の修復過程で異常な骨の成長が生じることがあります。
・繰り返しのストレス:ランニングやジャンプなどの繰り返しの動作が関節に負担をかけ、骨の表面に微小な損傷を引き起こすことがあります。これにより、体が損傷を修復しようとする過程で骨棘が形成されます。
3. 炎症反応
関節炎などの炎症性疾患も骨棘の形成に寄与します。
・炎症性関節炎:リウマチ性関節炎や乾癬性関節炎などの炎症性関節炎では、慢性的な炎症が関節の周囲に骨棘の形成を引き起こします。
・サイトカインと成長因子:炎症性疾患では、サイトカインや成長因子が関節内で増加し、これが軟骨の分解と同時に骨の新生を刺激します。
4. 年齢と加齢
加齢に伴い、骨と関節の構造が変化し、骨棘の形成が一般的になります。
・軟骨の減少:年齢とともに軟骨の厚みが減少し、関節の潤滑性が低下します。
・骨の適応:関節の摩耗に対する適応反応として、骨が新たに形成され、骨棘が発生します。
5. 遺伝的要因
遺伝的要因も骨棘の発生に関与する可能性があります。
・家族歴:骨棘や変形性関節症の家族歴がある人は、同様の症状を発症しやすいことが研究で示されています。
骨棘の形成プロセスの詳細
骨棘の形成には、以下の具体的な細胞プロセスが関与しています:
1.軟骨細胞の分解:変形性関節症や炎症性関節炎では、軟骨細胞が分解され、軟骨の厚みが減少します。
2.骨芽細胞の活性化:軟骨の摩耗が進行すると、骨芽細胞(新しい骨を形成する細胞)が活性化されます。
3.新生骨の形成:骨芽細胞が活性化され、新しい骨が形成され、これが骨棘として現れます。
4.骨再形成の調整:体は、関節の安定性を維持するために、骨の再形成を調整しようとしますが、この過程で骨棘が過剰に形成されることがあります。
骨棘は、体が関節の摩耗や損傷に対する保護反応として形成されるものであり、その発生メカニズムは複雑です。早期の診断と適切な管理が、症状の進行を防ぎ、生活の質を維持するために重要です。
まとめ
今回の記事では骨にとげのようなものができる「骨棘」について解説しました。
膝の痛みの原因が何なのかを知り、適切に予防・治療をしていきましょう!
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