膝に水がたまる?水ってなあに?
みなさまこんにちは!Rinealの見澤です!
今日はタイトルの通り、膝に水がたまるということについてお話したいと思います。
よく運動をする方やけがをしたときに「膝に水がたまる」というのを聞くかと思います。
そもそも「水」って何なのでしょう。水道水でも天然水でもないでしょうし、どこからやってくるのでしょう。
今回の記事では膝に水がたまるということについてお話したいと思います!
では今回もよろしくお願いします!
目次
1.はじめに
2.膝関節の構造と役割
3.関節水腫の発生機序
4.関節水腫の症状
5.診断と治療法
6.水は抜いたほうがいいの?
7.まとめ
はじめに
膝に水がたまるという表現は、医学的には「関節水腫」や「関節腔内液貯留」と呼ばれます。この状態は、多くの人にとって不快で痛みを伴うことが多いです。関節水腫とは膝がどんな状況になっているか、そしてその原因について見ていきましょう。
関節の構造と役割
まず、膝関節の構造について簡単に説明します。膝関節は、大腿骨(太ももの骨)、脛骨(すねの骨)、膝蓋骨(膝のお皿)から構成されています。これらの骨の間には、関節軟骨という滑らかな組織があり、骨が直接擦れ合わないようにしています。
関節の内側には「滑膜」という薄い膜が存在し、関節腔(関節の空間)を覆っています。滑膜の役割は、関節の滑らかな動きを助ける「滑液」を分泌することです。滑液は関節軟骨の潤滑剤として機能し、衝撃を吸収するクッションの役割も果たします。
関節水腫の発生機序
関節水腫が発生する主な理由は、関節内で何らかの異常が発生し、滑膜が過剰に滑液を分泌するためです。この過剰な滑液が関節腔にたまり、腫れや痛みを引き起こします。以下に、関節水腫の主な発生機序を詳しく説明します。
滑膜の炎症
関節水腫の最も一般的な原因の一つは滑膜の炎症です。関節リウマチや滑膜炎などの疾患は、滑膜を刺激し、炎症を引き起こします。炎症が起こると、滑膜は通常よりも多くの滑液を分泌し、結果として関節水腫が発生します。
外傷や過度の使用
スポーツ活動や事故による外傷も、関節水腫の原因となります。例えば、膝を捻挫したり打撲したりすると、関節内で炎症が起こり、滑膜が滑液を過剰に分泌します。また、ランニングやジャンプなど膝に負担のかかる運動を過度に行うと、関節がストレスを受け、滑膜が滑液を過剰に分泌することがあります。
半月板の損傷
膝関節には内側と外側にそれぞれ「半月板」と呼ばれるC字型の軟骨があります。半月板は、関節にかかる衝撃を吸収し、安定性を保つ役割を果たしています。半月板が損傷すると、その部分で炎症が起こり、滑膜が過剰に滑液を分泌する原因となります。特にスポーツ選手や高齢者に多く見られる問題です。
関節水腫の症状
関節水腫の主な症状は以下の通りです。
腫れ: 関節が腫れて、外見上も膨らんで見えます。
痛み: 動かすと痛みが生じ、時には安静にしていても痛みが続くことがあります。
可動域の制限: 腫れや痛みによって、関節の動きが制限されることがあります。
熱感: 関節が熱を持ち、触ると暖かく感じることがあります。
診断と治療
関節水腫の診断には、医師が問診や触診を行い、必要に応じて以下の検査を行います。特に触診や視診では、「腫脹・発赤・熱感・疼痛」を入念に観察します。
画像検査
X線やMRIを用いて、関節内部の状態を詳しく調べます。特に半月板や骨の異常を確認するのに有効です。
関節液検査
関節液を採取して分析し、感染や結晶性疾患(例えば痛風)などの原因を特定します。
治療方法
関節水腫の治療は原因に応じて異なります。一般的な治療方法は以下の通りです。
安静と冷却: 急性期には安静にし、患部を冷やすことで腫れと痛みを抑えます。
薬物療法: 炎症を抑えるために非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やコルチコステロイドが使用されることがあります。
関節液の吸引: 痛みや腫れがひどい場合、医師が注射針を用いて過剰な滑液を吸引することがあります。
手術: 半月板損傷や靭帯損傷が原因の場合、手術が必要になることがあります。
水は抜いたほうがいいの?
「膝の水は一度抜くとくせになるから、抜かないほうがいい」、とか「水を抜くと楽になる」などといった話はよく聞かれています。実際のところ膝の水を抜く(穿刺をする)とどういうメリット・デメリットがあるのでしょうか。
水を抜くメリット
痛みと腫れの軽減: 水を抜くことで、関節内の圧力が下がり、痛みや腫れが軽減します。これにより、動きやすくなります。
原因の特定: 抜いた関節液を検査することで、炎症の原因(例えば感染、結晶性疾患、リウマチ性疾患など)を特定することができます。これにより、適切な治療方針を立てることが可能になります。
水を抜くデメリット
一時的な対策に過ぎない: 水を抜くことは症状の緩和に役立ちますが、根本的な治療ではありません。関節内の問題が解決されない限り、再び水がたまる可能性があります。
感染リスク: 関節に針を刺す行為には感染のリスクが伴います。適切な衛生管理と技術が必要です。
水を抜くと「くせ」になるのか?
くせになるという誤解
水を抜くこと自体が「くせ」になるわけではありません。関節水腫が繰り返される理由は、抜く行為そのものではなく、膝の根本的な問題が解決されていないことにあります。例えば、慢性的な炎症や半月板の損傷、リウマチ性疾患などがある場合、これらの根本原因に対処しない限り、何度も水がたまることになります。
まとめ
膝に水がたまる「関節水腫」は、多くの人が経験する可能性のある症状です。滑膜の炎症、半月板の損傷、外傷など様々な原因があり、それぞれの原因に応じた適切な治療が必要です。早期に診断し、適切な対処を行うことで、症状を緩和し、生活の質を向上させることが可能です。膝に異常を感じた場合は、早めに専門医に相談することをお勧めします。
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