膝の内側の痛み:原因・症状・治療法を徹底解説

みなさまこんにちは!中央区八丁堀にある脚の専門院リネアルの見澤でございます。
突然ですが…
膝の内側に痛みを感じていませんか?
膝の内側の痛み=変形性膝関節症 と思っていませんか?
一言に膝の内側の痛みといっても、変形性膝関節症以外にも原因は多岐にわたります。
その多くが、歩行時や階段の昇降時に膝の内側に違和感や痛みが出ますが、それぞれに適した対処が必要です。本記事では、膝内側痛の主な原因から効果的な治療法まで、わかりやすく詳しく解説します。
膝の内側の痛みは、日常生活に大きな影響を与える可能性があります。早期の適切な対処により、症状の悪化を防ぎ、快適な生活を取り戻すことができます。まずは原因を正しく理解し、適切なケアを始めましょう。
では始めましょう!
膝の内側が痛む主な原因
膝の内側に痛みが生じる原因は多岐にわたります。最も多く見られる3つの疾患について詳しく説明します。これらの疾患は年齢や活動レベルによって発症頻度が異なりますが、いずれも適切な診断と治療が重要です。
変形性膝関節症
変形性膝関節症は、膝の内側痛の最も一般的な原因の一つです。関節軟骨の摩耗や変性により、関節内で炎症が起こり痛みが生じます。
特徴的な症状:
・朝の起床時や動き始めに痛みが強い
・階段の降りや長時間の歩行後に痛みが増悪する
・膝の内側を押すと圧痛がある
・関節の可動域制限や腫れを伴うことがある
この疾患は加齢による軟骨の変化が主因ですが、肥満や過度の膝への負荷、遺伝的要因も関与します。50歳以降の女性に多く見られ、進行性の疾患であるため早期の対策が重要です。
内側半月板損傷
内側半月板は膝関節内にあるC字型の軟骨組織で、関節の安定性とクッション機能を担っています。この半月板が損傷すると、膝の内側に痛みが生じます。
特徴的な症状:
・膝をひねった際に「パキッ」という音とともに痛みが発生
・膝の曲げ伸ばし時に引っかかり感やロッキング症状 (膝がはまってしまう感じになり、曲げ伸ばしができなくなる)
・関節の腫れや水が溜まる 階段昇降時の痛み
半月板損傷は、スポーツ外傷による急性損傷と、加齢による変性からの慢性損傷に分けられます。若年者ではスポーツ中の急な方向転換やジャンプ着地時に発症することが多く、中高年では日常動作でも発症する可能性があります。
内側側副靭帯損傷
内側側副靭帯は膝の内側にある重要な安定化機構です。この靭帯が損傷すると、膝の内側に痛みと不安定感が生じます。
特徴的な症状:
・膝の内側の鋭い痛みや腫れ
・膝の外反方向(X脚方向に曲がる)への不安定感やぐらつき感
・膝の内側に圧痛と腫れ
・膝が痛くて伸ばせなくなる
内側側副靭帯損傷は、膝の外側から内側への強い力が加わった際に発症します。スポーツ外傷、交通事故、転倒などが原因となることが多く、損傷の程度により軽度から重度まで幅広い症状を呈します。
鵞足炎
鵞足炎は、膝の内側下方にある「鵞足」と呼ばれる腱(縫工筋・薄筋・半腱様筋が合流する部分)に炎症が生じる疾患です。主に繰り返す膝の屈伸や使い過ぎにより発症し、ランナーや中高年層に多く見られます。
特徴的な症状:
・膝の内側下部(関節よりやや下)の局所的な痛み
・階段の昇降やランニング、しゃがみ動作での痛み
・押すと痛む圧痛点が明確に存在する
・膝関節そのものの不安定感は少ない
鵞足炎は、ランニングやジャンプ、長時間の歩行などによるオーバーユースが主な原因です。また、O脚や体重増加、ハムストリングスや内転筋の柔軟性低下も発症リスクを高めます。膝の内側下部に限局した痛みが特徴で、内側側副靭帯損傷などの膝関節内病変との鑑別が重要です。

症状の特徴とセルフチェック
膝の内側痛の原因を特定するために、以下のセルフチェックを行ってみましょう。ただし、これらのチェックは参考程度に留め、正確な診断は必ず医療機関で受けてください。
痛みの性質をチェック:
○起床時や動き始めに痛いか(変形性膝関節症の特徴)
○膝を曲げ伸ばしする際に引っかかり感があるか(半月板損傷の特徴)
○膝が不安定で抜けそうな感じがあるか(靭帯損傷の特徴)
痛みの発生タイミング:
○歩行時、特に階段降段時の痛み
○長時間座位から立ち上がる際の痛み
○膝を内側に押した際の圧痛
その他の症状:
○膝の腫れや熱感の有無
○関節可動域の制限
○膝周囲の筋力低下
これらの症状が2週間以上続く場合、日常生活に支障をきたす場合は、速やかに専門医の診察を受けることをお勧めします(明確にケガをした理由がはっきりしていて、急激に腫れが起きた場合は直ちに受診しましょう)。早期診断により適切な治療を開始でき、症状の悪化を防ぐことができます。
内側の痛みに対するセルフケア(ストレッチ・アイシング)
膝の内側痛に対する効果的なセルフケア方法をご紹介します。ただし、激しい痛みがある場合や症状が悪化する場合は、セルフケアを中止し医療機関を受診してください。
アイシング(冷却療法): 痛みや腫れがある急性期には、アイシングが効果的です。氷嚢や冷却パックを薄いタオルで包み、痛みのある部位に15-20分間当てる 1日3-4回実施する 皮膚の感覚が鈍くなったら一旦中止し、1時間程度間隔をあける
ストレッチ:筋肉が原因で痛みが出ている場合はストレッチが有効な場合があります。
効果的なストレッチ方法
・大腿四頭筋ストレッチ
立位(立った姿勢)で片足を後ろに曲げ、手で足首を持つ。膝を体の後ろに引き、太ももの前面を伸ばす。 30秒間保持を3セット
・ハムストリングストレッチ
座位(椅子に座った姿勢)で片足を伸ばし、つま先を上に向ける 上体を前に倒し、太ももの後面を伸ばす 30秒間保持を3セット
・内転筋ストレッチ
座位で両足の裏を合わせる 膝を床に近づけるよう手で軽く押す 太ももの内側の筋肉を伸ばす 30秒間保持を3セット
セルフマッサージ: 膝周囲の筋肉の緊張をほぐすため、軽いマッサージを行います。強く押しすぎず、気持ち良い程度の強さで円を描くようにマッサージしてください。
これらのセルフケアは毎日継続することが重要です。ただし、痛みが増悪する場合は直ちに中止し、専門医にご相談ください。
改善のためにできる生活習慣の工夫
膝の内側痛を改善し、再発を防ぐための生活習慣の改善点をご紹介します。日常生活でのちょっとした工夫が、膝の健康維持に大きく貢献します。
体重管理: 過剰な体重は膝関節への負担を増加させます。BMI25未満を目標とし、適正体重の維持を心がけましょう。1kg体重が減ると、歩行時の膝への負荷は約3-4kg軽減されると言われています。
膝に優しい運動習慣:
・水中ウォーキング:膝への負荷を軽減しながら筋力強化が可能
・サイクリング:低負荷で太ももの筋力を鍛える
・ヨガやピラティス:柔軟性と筋力の両方を向上
日常動作の改善:
階段昇降時は手すりを使用する 長時間の立位や座位を避け、適度に体勢を変える 重い物を持つ際は膝を使わず、腰を落として持ち上げる 床からの立ち上がりは手や膝をついて行う
靴の選び方: 適切な靴選びは膝の負担軽減に重要です。
クッション性の良い靴底 足首をしっかりサポートする構造 ヒールは3cm以下 足のサイズに合った靴
環境の整備:
滑りやすい床にはマットを敷く 段差にはスロープを設置する 椅子の高さを調整し、立ち座りを楽にする
これらの工夫を日常生活に取り入れることで、膝の負担を軽減し、痛みの改善と予防につながります。
医療機関での治療方法(保存療法・手術の可能性)
セルフケアで改善しない場合や症状が重篤な場合は、医療機関での専門的な治療が必要です。治療方法は症状の程度や原因により選択されます。
保存療法(非手術治療):
・NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬):痛みと炎症の抑制
・ヒアルロン酸注射:関節軟骨の保護と潤滑改善
・ステロイド注射:強い炎症がある場合
・幹細胞治療:保険診療外の治療で、自身の細胞を採取→培養→膝関節内に投与することで、損傷した組織の再生を図る治療
理学療法
理学療法士による運動療法や物理療法
装具療法
・インソールによるアライメント調整
・膝サポーターによる関節安定化
・テーピングによる関節保護・動作サポート
手術治療が検討される場合:
保存療法で十分な改善が得られない場合、以下の手術治療が検討されます
・関節鏡手術
半月板の部分切除や縫合や関節内の清掃 :低侵襲で回復が早い
・高位脛骨骨切り術(HTO)
比較的若い患者の変形性膝関節症で選択される。膝の荷重軸を調整し痛みを軽減。
・人工膝関節置換術
重度の変形性膝関節症に対して行われる。関節の大部分または全体を人工関節に置換することで痛み・関節機能を改善する。
治療の選択基準:
治療方針の決定には、専門医との十分な相談が不可欠です。セカンドオピニオンを求めることも重要な選択肢の一つです。
・症状の程度と期間
・年齢と活動レベル
・他の治療への反応、患者の希望と期待値
まとめ
膝の内側痛は適切な診断と治療により改善可能な症状です。早期の対処により、より良い結果を期待できます。症状が続く場合は、迷わず専門医にご相談ください。日常生活での予防策を継続し、健康な膝を維持しましょう。
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